250字で花言葉



あ な た と と も に (フウセンカズラ)
真田主従:現代転生 2011/6/17


「で、お前どうする」
 再会の余韻にしみじみと浸っていたものだから、唐突な話題転換に一瞬ついていけなかった。
「は?」
「だからどうすると聞いておる。お前にもここでの生活があろう。すぐには動けぬか」
「それ、俺が一緒に行かないって選択肢はないの」
「来ぬのか」
 反射的に返すと、彼はさも心外であるというように首を傾げた。どうやら自分が共に行かぬという選択肢は端から彼の中にないらしい。
「やれやれ、仕方のないお人だよね」
 肩を竦めて一歩近寄る。一応言ってみただけで、どうするなんて聞かれるようなことじゃない。
「行くよ」

------------------------------------------------------------------------------------------
   転生ものの再会シーンでは王道だと思う。



* * *



移 り 気 (あじさい)
真田主従:戦国 2011/6/19


「あのさ、一応聞くけど、俺が忍だって知ってる?」
 無駄なのも重々承知の上で、一応苦情というものを呈してみる。
 戦忍とはいえ忍は忍。世を忍ぶべき存在に変わりはない。
 蒼天疾駆などと二つ名を付けられ、あまり名が知れ渡ってしまっては困るのだ。
「諜報も仕事のうちって、その辺はわかってる?」
「馬鹿め、何をいまさら」
 主は笑った。
「真田忍隊の長としてここまで名が知れてしまえば、いまさら他所になど移れまい」
 残念だったな。
 その顔は今まで共に過ごしてきた歳月で見た中でも一番晴れやかで。

 嬉しそうに笑うよね、この人でなしが。

------------------------------------------------------------------------------------------
   外堀から埋めてしまおうという幸村。
   そんなことしなくても佐助はどこにも行かないだろうけど。
   わかってるけど、埋めてしまいたい幸村。



* * *



自 由 な 心 (月見草)
真田主従:戦国 2011/6/21


「帰ったか」
「首尾は上々。問題はないよ」
 膝をついた影が障子の外から声を返す。
 佐助が装束の乱れを理由に姿を見せないのはよくあることだったが、今夜は錆びた鉄の臭いが鼻腔をくすぐる。
「血の臭いだな。どこで為合った」
「国境いでね。でも俺様の血じゃないし、問題はないって言ったろ。この程度で動じないでよ」
「……わかった。詳しくは明日で良い」
 今夜は休めと声をかけると影はそのまま消えた。

 当主となって以来、配下の忍を気にかけることすらできなくなった。
 己の心のみが唯一残された自由のように思える。
「わからずやめ……」

------------------------------------------------------------------------------------------
   佐助は幸村に忍の扱いをちゃんと知って欲しいだけ。
   だから先回りして先回りして、幸村に釘をさしてる。
   幸村だってその辺は承知の上なので、関係ない!ってそのうち爆発します(笑)



* * *



私 を 見 て (ガマズミ)
真田主従:戦国 2011/6/22


 鍛錬を、と呼び出した忍が庭先で苦無を構える。
「痺れ薬塗ってるからそのつもりでいてね。あんたでも効くように調合しといたから」
 幼少時から毒に慣らされたこの身は、毒を多少受けても平時と同じに動ける。だからこそ戦場で忍と相対することもできる。
 ところが目の前の忍はその戦いぶりが気に入らぬらしい。
「慢心は全部を台無しにするんだよ」
 わざわざ告げてくるからには、相当な薬が使われているとみて間違いない。
「俺達との戦い方、思い出して」
「得物には絶対触れるな忍とは戦うな、か。聞き飽きたぞ」
「じゃあちゃんと集中してよ」

------------------------------------------------------------------------------------------
   幸村が毒に慣らされてるんじゃないかって設定には諸手をあげて賛成です。
   毒慣れのせいで忍相手にも怯まない旦那が、長としてはとても心配です。
   
   そろそろタイトルと合わなくなってきた気がする(笑)
   最初はですね、佐助の手元をちゃんと見てろって感じの文章でした。



* * *



大 望 (立葵)
佐助:現代転生 2011/6/23


 今年一番の夏日だった今日。
「あっつぅ」
 あまりの暑さについぼやけば、周囲からも何を今さらと冷たい視線が返ってくる。
 エアコンが稼動しているのかすらわからない満員電車は不快指数100%だ。大勢の人間に揉まれて、いい加減うんざりする。
 それでも習慣のように同じ車両の人間を一通りチェックすることだけは忘れないのに、今日もやっぱりいない。
 ここはこんなにも人があふれてるのに、一番会いたい人だけいない。
 毎朝起きるたびに期待して、毎夜寝るたびに裏切られて。それでも眠ったら紅い夢を見て、きっとまたこう思う。

 “もしかしたら”

------------------------------------------------------------------------------------------
   幸村に出会う前の佐助です。
   大望ってほど大きな望みじゃないはずなのに、全然叶わなくてやさぐれたい佐助。
   探してるのに、幸村はいないんですよ。ま、そのうちちゃんと出会うんですけど。




TOPBASARA