250字で花言葉



青 春 の 始 ま り と 終 わ り (さくら草)
真田主従:現代 2012/2/5


 手袋の下に軍手をはめても、思わず笑ってしまうほどに冷える。
 制服の下にジャージを重ねても、叫びだしたいほどに寒い。
「さみいー」
「文句を言うな、今日のノルマがまだだぞ」
「何のノルマだよ、飽きもせず毎日こんなん作って」
 陽の当たらない壁際に並ぶ雪だるまは、昼休みに一体ずつ増えていく。
 いつの間にやら学校のちょっとした名物になった雪だるまには、通りすがりの生徒が装飾をしてくれる。
「雪がある間は必ずと言ったはずだ。ほら、お前も自分の玉を早く転がせ」
「へいへーい」
 早く教室に戻りたい。そう思ったら、鼻水が垂れた。

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   二人には雪がよく似合うと、勝手に思います。
   現代では何気ない日常をこんな風に過ごしてて欲しいなぁ。



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つ つ ま し い 幸 せ (スミレ)
真田主従:戦国 2012/2/6


 雪の日は警備が楽だ。
 臭いは消えるが人の通った部分は必ず雪が削れるので、雨よりよほどやりやすい。
「だからっても警戒は必要だし、いつも通り人手は足りねえの」
「なればこそ少し休め。茶を点ててやる」
 こちらの忙しさを全く汲み取らない主は、何やら楽しげに支度を始めてしまう。
 茶は作法も面倒臭ければ苦い上に足まで痺れる。少なくとも佐助はそう考えている。
 甘いものを好む主のくせに茶は別格だというのだから、酔狂だとしか思えない。
「遠慮しとく」
 冷淡さを装って閉めた襖の向こうからは何やら声がしたが、聞こえないふりをした。

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   この時代にまだお茶の作法は確立していないだろうけど、そこはそれです(笑)
   自分の作る薬の苦さは平気でも、抹茶の苦さはダメな佐助。
   反対に幸村は、佐助の作る薬が苦くて耐えられません。



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慎 ま し や か (芍薬)
真田主従:戦国 2012/2/8

 いつも早寝の主が珍しく、夜更かししているのが気になった。
「どうしたのさ」
「目が冴えてしまったのだ」
 手入れしていた刀の仕上がりを確かめた彼は、ひどく満足げな顔をしている。
「油もったいないし、もう寝たら」
「そうだな、そうしよう」
 彼が刃を手にした姿を見ていると、この男に殺されるのならそれこそ本望だと思ってしまうことがある。
 それはこんな瞬間にふと生まれてくる出来心のようなもので、伝える必要もまして義務もない。代わりに今日も、他愛のない言葉を交わす。
「じゃあ、おやすみ」
「お前もゆっくり休め」
「そうするよ」

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   刃を手にして満足そうな幸村が書きたかったみたいです。
   幸村は槍遣いだけど、刀も扱えると考えています。
   武芸は基本的になんでも嗜んでるよ!と。だから手入れも自分でします。



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逆 境 に 負 け ぬ 強 さ (カミツレ)
佐助:現代転生 2012/2/14


 風に吹かれて雲の波が、ものすごい勢いで押し流されてゆく。
 世間で今日はとても大きい存在だ。目の前の少女が手にしたチョコも、本当は何よりも重いに違いない。
 道行く人々も、浮ついた雰囲気を醸し出している。
「ありがとう」
 誰もが一生懸命で、他を構う余裕はない。
「でもごめんね」
 かく言う自分だって鞄に忍ばせたチョコをどうしようかまだ迷っている。
 渡せばきっと喜ぶが、渡さなくても特に何を思われることもないだろう。今はそれがとても寂しい。

 いなくなってしまう以上に悲しいことなんて、この世にありはしないと思っていたのに。

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   乙女な佐助!



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あ な た の た め に 生 き る (石化柳)
真田主従:戦国 2012/2/15


 その内面が複雑化していることには気づかないつもりでいる。
「槍ばっか振るって、何が楽しいんだアンタ」
「お前こそ、手裏剣などひたすら研いで何がおもしろいのだ」
 鍛錬の合間に庭先で茶を喫する。
 見るともなしにそれを眺め、傍らで簡単な仕事を片付ける。
 よくありそうで最近はあまりない光景だ。
 主従の契りを交わして以来、変わらない距離を表面的に保っている。
「明日から俺様またいないから、しっかりやんなよ」

 苦心して作ってきたこの空気を壊さないで過ごせたら、それは涙が出るほどひどく幸せだろう。
 他でもない、この主のために。

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   このところ佐助ばっかりなので、また次は幸村を…。




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