250字で花言葉
よ い 気 立 て (ハナモモ)
真田主従:現代転生 2012/3/3
佐助の生活パターンは、幼馴染の幸村にさえ把握できていない。驚くような時間から活動していたり、逆に一睡もせずに朝まで起きていたり。
佐助はその理由を、夜が朝に切り替わる時間帯が好きだからだと言う。
「お前はまた、何時から作っていたのだ」
「さて、何時だったっけ?」
呆れ半分驚き半分。その量たるや、とても朝食の量とは思えない。
「頑張って食ってよ旦那」
佐助の理由が嘘だとわかっても、幸村は佐助の内心を知らない。
寝ることを好まないらしい佐助の時間つぶしが料理であるならば、今日も黙って食べるだけだ。
「いただきます」
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寝て起きて、全部消えていたらと思うと怖くて眠れない佐助です。
戦国の記憶を取り戻したとかなんとか、きっとそんな理由。
佐助は体を動かすよりも、手先を動かして時間をつぶしたがるんじゃないかと。
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献 身 & 勇 敢 (馬酔木&唐松)
佐助:戦国 2012/3/9
横を突かれた真田勢は必死だった。
知らせを受けた武田軍が取って返しても間に合わないかもしれない。誰もがそんな危惧を覚えていた。
いかに軍を率いる主の力が一騎当千でも、味方全員を無傷で守るなんてことができるはずもない。その主すら、火縄の力でもって追い詰められでもしたらどうなるかわからない。
ああ神様。
信心のないこんなときだけの神頼みだけど、あの人とこの国をどうかどうか。
大きな損害を被ったものの、結果的に真田は持ちこたえた。
それは皆の必死さが相手に打ち勝ったからか、懸命な祈りが通じたからか。
「ありがとう」
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3月9日はサンキューの日らしいので、佐助に「ありがとう」って言わせてみました。
ありがとうは、幸村に対する「(生きててくれて)ありがとう」かもしれないし、
神様に対する「(守ってくれて)ありがとう」かもしれないし。
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か な え ら れ た 希 望 (連翹)
真田主従:現代転生 2012/3/22
戦国の世でも満月の夜は明るかった。
今は窓の外から差し込む光のおかげで、夜中に目覚めて何も見えないということがない。
傍らの人はうっすらとした光の中で非常に安らかに眠っている。
再会したばかりの頃はこの寝顔が苦手で、よく呼吸を確認していたものだ。
再び眠りに落ちるのがもったいなくてなんとなく手を伸ばし、伸ばされた髪を一房手に取る。その毛先でもって頬をくすぐると、眠りの中で彼は表情を少し崩した。
「ふ……」
けたたましい音が朝を告げるまで、もうしばし安らかな眠りを彼に。
そして今日も、一番におはようと告げたい。
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どうやら“くすぐる”って動作が好きみたいです。
仲良しっぽく見えるというか。
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私 を 忘 れ な い で (勿忘草)
真田主従:戦国 2012/5/14
長期に渡る潜入や特に命のやり取りがあった任務後、その忍は主への謁見が叶う。
他家では考えられない遇され方だ。
「よう無事で戻った。案じておったぞ」
そう声をかけられ、たいがいの忍は感極まって退出していく。
「俺もやっと皆の信頼を得られるようになったのだな」
主が嬉しそうなので佐助は笑ってしまう。
「あんたのはさ、タラシって言うんだよ」
忍とは忍ぶ者。
言葉などなくても万事において抜かりないのが忍であるはずなのに、知らぬうちに皆が言葉を心待ちにするようになっている。
これをタラシと呼ばずして何をタラシと呼ぶべきか。
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忍びキラーな幸村様。
帰りを待つ人なんて、忍には必要ないものかもしれないけど、
心を持たされた忍にとっては、幸村の言葉が支えになることもあるかもしれません。
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待 ち か ね る (山吹)
真田主従:現代 2012/5/16
日に何度も「抱き上げろ!」と催促されるのも大変なので、踏み台を準備することにした。
「なあ佐助、あの雛が巣立つのはいつ頃だ?」
「孵ったばかりだからまだ当分は先だね」
「まだ先か、楽しみだな!」
小学生になったばかりの主はここ数日飽きもせず、玄関扉の覗き穴からツバメの親子を見守っている。
「そんなに楽しい?」
「餌をねだるところが一番可愛いと思うぞ」
「ふーん」
冷えたプリンを一匙すくう。
「はい、あーん」
つられて口をあけた主は我に返り「子ども扱いするな!」と口を尖らせる。
なるほど、幼いとは可愛らしいものである。
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幸村と佐助の住んでる家の玄関前にツバメの巣がありまして、というお話です。
二人の年齢が離れてる現代のお話は始めて書いたかも。
現代だと幸村にどこまで尊大な口調をさせていいものか悩みますね…。