250字で花言葉



あ な た の 魅 力 を 心 に 刻 む (ニシキギ)
佐助:戦国 2011/10/20


 五感を一つ失うと残りの感覚が鋭敏になると聞き、周囲を闇で覆うことにした。
 実際にこれは大きな効果があり、感覚の中でも特に、気配を察する感覚が鋭くなった。
 それに闇といっても他人に気づかれるほどの濃さではないので、日常でも困らない。
 ただ見えなくとも間にある薄い存在を見抜くのか、主がもらすことがある。
「佐助はちっとも俺のものにならぬ」
 見も心も捧げた主からそのように言われるのは心外だ。かといって他に洩らすこともできないので、やはりそのように思われても仕方ない。
 だから何度も繰り返す。
「俺はあんたのものだよ」

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   幸村は佐助と自分を隔てる何かがあることが気に入りません、
   そして闇は心地良いものなので、幸村は佐助のことが少し心配です。
   佐助は元々そっちの気が強いし、戻ってこないんじゃないかと。
   佐助にしてみればただ視覚に制限かけただけなんですけどね。



* * *



愛 さ れ 上 手 (紫式部)
佐助:戦国 2011/10/21


 人の持つ二面性が魅力となって、周囲を惹きつけることがある。
 主が稽古に励む姿を見慣れている人間が、たまに彼が静かに政務をこなす姿を目にし、その成長を思って瞳を潤ますように。
 また、主が戦場で鬼と呼ばれる姿を目にできる立場の人間が、たまに彼が民の生活ぶりを穏やかに眺める姿を目にし、その心中を慮って心で涙を流すように。
「やっかいなお人だよ」
 主の心を想うなど、臣下にはあるまじき所業である。
 まして心が必要ない忍にまでその存在を主張させてしまう主は、心の底から困った主だ。
「でもそこがあんたの魅力なんだろうね」

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   そのギャップゆえ、誰からも愛される幸村です。
   側仕えの人たちと、忍たちとはまた違った感慨を抱いてると良いです。
   佐助にそんな感慨があるかどうかは別として。
   佐助はかなりドライだと思います。



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悔 い な き 青 春 (ススキ)
幸村:現代 2011/10/22


 部活に出たがらない佐助を引っ張り、今日も道場へ向かう。
「部活が何の役に立つの」
「そんなものはわからん。だがお前もやれば良い」
 今が無駄か無駄でないかなど、人生の最期になってみなければわからない。そしてその瞬間にどう判断するかは人次第で、基準もそれぞれ異なるはずだ。
 もしこれが逆の立場なら、佐助はあの手この手で自分を納得させてしまうだろう。口がたつ佐助を説得するのは至難の業だ。
「俺と竹刀を合わせた記憶が、輝かしい思い出となるかもしれぬ」

「その自信はどっからくんのかね」
 佐助は少しあきらめたのか、笑った。

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   当然のことながら、二人とも剣道部です!
   なんで入っちゃったかわからない佐助と、熱心な幸村。

   過去と今がいつどこで役立つかは、未来になってみないとわかりませんよね。
   そして、役立ってるけどそうと気づいてないことも日常にはいっぱいあるわけで。
   幸せなことだけじゃなくて、苦しんだことも悩んだことも我慢したことも。
   無駄なことはひとつもないんだよって、そう信じています。



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清 ら か な 美 し さ (梅)
真田主従:戦国 2011/10/24


 下働きの娘が一人、嫁ぐことが決まった。
 すでに家のない娘だったこともあり、花嫁行列の出立を真田屋敷からにしたいとの女中頭の望みを、幸村は快く許した。
「今日だったか」
 華やかな行列が門をくぐるのを心穏やかに見送る。
「もしかして、ああいうのがうらやましいとか?」
「そうかもしれぬ」
 人はそれぞれの人生を生きるように生きている。それ以外の道など知らないままに生きる。
「だが俺はここが良い。どこへ行く気もないぞ」
「心配しなさんな、誰も疑ってないよ」
「そうか」
 秋晴れの空の下、娘は静かに旅立っていった。
「幸せになれ」

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   あ、この娘は別に幸村のお妾さんとかではありませんよ!(笑)
   戦で家を焼かれたという設定です。
   民の安寧を願う幸村でした。



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賛 美 に 値 し ま す (ウイキョウ)
真田主従:戦国 2011/10/25


 どんな道楽も、過ぎれば穴となる。
 目の前には隣国から届けられた菓子。不審はないと見えたが、巧妙に毒が仕込まれていた。
「わかって食うなよ」
「お前が通したからだ」
「手口を把握するだけって言っただろ」
 真田家は毒見によって失われる人材を惜しみ、その血に連なる者には常時毒の服用を命じた家だ。
 その結果として、幸村は忍並みの耐性を手に入れている。
「一舐めで死なれちゃ困るんだよ」
「それほど柔ではない」
 確かに無謀な行為をなし得るのも、その丈夫さがあってである。
 しかし佐助は思う。主を支えているのは、その度胸であると。

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   「忍は毒を警戒し、味の濃いものを好まない。
   その忍を毒見と称して武家の食事に慣れされることを良しとしなかった」
   こんな感じの文を入れたくて、ギリギリまで考えたけど、やっぱり入らなかった……。

   小さい頃から毒慣れしてるってネタ、実はかなり好きみたいです。
   だって花言葉書き出して、多分これで3つ目。なんか滾る!




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