250字で花言葉
明 朗 & 用 心 (梅もどき&柊)
真田主従:戦国 2011/11/8
客を見送って部屋へ戻ると、酒と肴が整っていた。
「珍しいな、どうした」
「月見酒。風流だろ」
待っている間に始めていたらしく、縁側には空の徳利がすでに数本転がっている。
「ちょっと欠けてるけどいいよな」
満月は数日前に過ぎたが、浮かぶ月はまだ充分な明るさを保っている。
「今宵はいいのか」
「これだけ明るけりゃ、夜襲も気にしなくていいだろ」
「それもそうか」
十五夜に任務で出ていた佐助は、屋敷で催した月見の宴にも当然関わっていない。
となると、前触れなく寝待月の夜に来た理由も頷ける。
「では久方ぶりに心の洗濯といくか」
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たまにはのんびりと月でも眺めてると良いですよ!
花言葉に合わせるのが難しくなってきました。
寝待月は遅く昇ります。その分ゆっくりしていられるということです。
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繊 細 な 美 (芙蓉)
幸村:戦国 2011/11/10
ふらりふらりと蛍が舞う季節になった。
幼い頃は屋敷の外へ蛍狩り行ったこともあるが、成長した今となっては庭に迷い込む数匹を眺める程度である。
蛍は人の魂だと、蛍狩りに連れ出してくれた下男が教えてくれた。
青白く漂う淡い光を人魂に照らしたものらしい。
「俺もいずれ蛍になるのか」
翌年その話を佐助にすると、何を馬鹿なことをと一笑に付された。
曰く、人と蛍では数が釣り合わぬという。
蛍狩りの翌々年には初陣をすませ、それから幾度も戦に出た。
「変わらず蛍は来るのだな」
無邪気な自分がもうどこにもいないことだけわかっていた。
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片方が出てこないと、文章をつなげるのが難しいですね。
会話文ってすごく楽だわぁ。
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恵 ま れ た 才 能 (千両)
佐助:戦国 2011/11/13
主は普段が誰よりも暑苦しい。それは短所のようで、実は長所でもある。
見てくれを弄って口を噤んでしまえば一般人に溶け込むことも容易く、普段を知っている人こそ騙されやすくなる。
事実、主はそうして幾度か命を拾い、最近は頻繁に屋敷を抜け出すようにもなった。
「そういうとこばっか上手くなりやがって」
姿がないのでもしやと思ったら案の定だ。
「立場わかってんのかくそ主」
護衛まで撒かれているとは考えにくい。繋ぎがないのなら無事でいるだろう。
数刻後には詫びの品を携えて戻るに違いないが、簡単には許さない。
「目に物見せてやる」
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周囲の忍から学んでるから、幸村も変装は上手です。
幸村が屋敷を抜け出すなんて瑣末なことです。
佐助までいちいち報告は挙がらないけど、佐助は怒り狂うといいよ!
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永 遠 の 若 さ (松)
佐助:現代 2011/11/14
「俺様は行かないよ、行くのは旦那だけ」
「俺はお前も共に行くものだとばかり思っていた」
この明るく一途で声のでかい友人の手元には、合格通知が届いている。
これから引越しの準備で忙しくなるだろう。
寂しくは感じるが、だからといって新しい門出を止められるはずもない。
「俺様はここに残るって決めてる」
「俺に進学を勧めたのはお前ではないか」
「そうだけど、一緒に行くなんて一度も言ってないだろ」
幸村にはもっと世間を知ってほしい。でも彼が自分を置いて世界を広げていく様子を、間近で見ていたくなどない。
「いってらっしゃい」
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寂しがり根暗な佐助。独占欲。
自分の居ないところで盛り上がられると寂しくてつまらない。
そこで輪の中に入っていける人にはわからない。
他に友達作るななんて言いたいけど言えないし言いたくない。
臆病な佐助。
でも佐助は、幸村が問答無用で引っ張りあげるから大丈夫。
そうやってもだもだしながらも、抜け出すために足掻くのが青春の側面。
若いって、そういうことなんだろうか。
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思 い の ま ま (黄金萩)
幸村:現代 2011/11/15
「行かない?ここに残るだと?」
「そ、俺様はここに残る」
何でもないような雰囲気を装っているが、すぐにわかる。
「お前はまた……」
「何だよ」
彼が時々、ひどく後ろ向きな瞳をしていることは知っていた。
同じ家で育ったのに性格がこうも違うのが不思議で仕方なく、最近はなるほどこれが個性というものかと納得している。
一人をひどく恐れ、故に先回りして自分の方から離れようとするのが佐助の性分。そしてその手を多少強引にでも引くのが己の役目である。
晴れた日でも嵐の日でも、共に歩めば先も明るいだろうと思うのだ。
「一緒に来い」
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うっかり昨日の続きになりました。
幼馴染という設定でしたが、文字数の都合で一緒の家で育ったことになりました(笑)
なんだかんだで、佐助は救われていると思います。