250字で花言葉



も て な し (オーク)
丈&清音 2014/9/5


 その赤く苛烈なイメージに反して、丈は辛い物がそう得意ではない。嫌いではないにしても、あまり量を食べられないらしい。
 遅れてやってきた丈が煮え立つキムチ鍋を前に顔をひきつらせた。口をつぐんだ丈と不思議そうなメンバーの間にはさまれて、仕方なく清音がその理由を説明する。
「やだわ丈ちゃん、教えておいてちょうだいよ。そしたら献立だって変えられたのに」
「真夏に鍋なんて誰が予想するよ……」
 丈から土産のアイスを受け取り、入れ替わりで席を立つ。丈のそんな姿を知っているのは自分だけだったのにと思うと、少し胸が痛んだ。


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   呼ばれて行ったらキムチ鍋が出来上がってて、清音もきっと止められなかったんです。
   丈さんは普通に辛い物好きかなと思うけど、苦手でももいいかと。

   どうしてもどうしても250字におさまりきらなかったので280字です。無念。



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意 外 な 側 面 (葛)
音 2014/9/15


「じゃあ俺からな」
 単独インタビューに尻込みする清音を余所に、丈は堂々と壇上に据えられた椅子に腰かけた。その様子を遠巻きにした女性達からは、丈が視線を流すたびに黄色い歓声があがる。その誰かが「素敵」ともらした声に、清音はようやく現実を認識した。
 丈の格好良さを清音は昔から誰よりもよく知っていたけれど、それは自分の欲目だとのんきに構えていた。自分だけがそう感じているのではないということは、それ即ちライバルが多いということだ。
 今さらながら直面した現実に、清音はインタビューどころではなくなって頭を抱えた。


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   ガッチャンネルはたまに公開収録もやってそうです。
   清音にとって丈がカッコいいのは、きっともう当たり前すぎることだと思います。
   といってそれが他の人から見ても同じようにそうなんだとはなかなか気づけないかもしれません。



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心 配 ご 無 用 (葉鶏頭)
丈&清音 2014/9/16


 これも任務の一環だと自分に言い聞かせ、集まった人々に愛想よく会釈をしてみせる。その向こうで清音の顔が青ざめたのがわかった。質問を受けて視線をインタビュアーに戻してみれば、今度は何やらほっとしている。


「お前、大丈夫か?」
 単独インタビューに緊張しているにしてはどうもおかしい。熱でも出たかと額に手を伸ばせば、清音は丈から顔をそむけて肩を震わせた。
「丈さんなんて……」
「俺なんて?」
「全然、カッコよくありませんからね!」
「はあ?」
 言うなり清音は丈の手を振り払い、会場から走り出てしまった。その顔は赤かった。


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   昨日の『意外な側面』の続きと言うか、丈さんVer.と言うか。
   丈の格好良さに改めて気づいた清音がどんなに心配したとしても、
   丈さんの心は清音にあるから何の問題もないのです。



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は や く 会 い に 来 て (チューリップ)
清音 2014/12/11


 いちいち住所を変更するのが面倒だと丈は言っていた。そういうものかと素直に納得していた清音が転居届の存在を知ったのは、つい最近だ。
 その程度のことは丈も承知しているだろうから、それを今さら本人に伝えようとは思わない。


 丈は数ヶ月に一度、溜まったDMを引き取りに来る。
 そんな機会でもなければ、丈がマンションに帰ることは年に一度だってないかもしれない。丈の性格は清音もよく知っている。
 帰る理由を失くさずにいるのはなぜなのか、誰のためなのかはわからない。清音は何も聞けないまま、丈が帰ってくる日を心待ちにしている。


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   出ていかないで欲しかった清音のためか、丈さん自身にたまには帰りたいって気持ちがあるのか。

   マンションを出ていった後も、こんな風に帰る理由をひとつ残していたらいいのになと思います。
   丈さんにとっても、清音くんたちのいるあのマンションが帰(れ)る場所だったら嬉しいです。



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ご ま か し (鬼灯)
丈&清音 2015/7/9


 丈に禁煙を勧めたのは他でもない清音だ。それがまさか、ほんの数日で自分がこれほどの苦境に陥ることになろうとは露ほども思っていなかった。
 このままでは身がもたないとわかっているのに、これが惚れた弱みなのだろう。満足げに笑う丈を怒れない。


「すーがーねー」
 丈は帰宅してすぐに清音を呼ぶ。その腕の中にすっぽりおさまってみれば、今日も煙草の気配は欠片もない。あごに添えられた手。触れるまなざし。そして――清音は丈の口に一本の飴をねじこんだ。
 ぱちりと目をしばたかせた丈に清音は詫びる。
「今夜はこれで勘弁してください」


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   チュッパチャップスが本当にいろいろと考えられすぎるので、
   思わず二年前の「いつも機嫌がいい」から続きました。




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