250字で花言葉
寛 容 な 心 (ヘレニウム)
ユキと夏樹 2012/9/28
ユキの家にゲームはない。たまに雨が降った日、夏樹の家でやらせてもらうくらいでいいと思っている。
「ユキぃ」
「今いいところ」
ボス退治まであと一歩。そんなときに限って夏樹はちょっかいを出してくる。
髪を引っ張ったりわき腹をつついたりと忙しない。
「やめろって」
「せっかく一緒にいんのに、お前はゲームかよ」
がばりと覆いかぶさられてユキは身を捩る。
「そばにいるじゃん」
「ユキの心が遠い」
「……」
「……」
顔を見合わせてどちらからともなく笑い出し、ユキは観念してコントローラーを置いた。
「うまいこと言ったつもりかよ!」
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夏ユキっぽい…!と思いながら書いてたけど、ユキ夏のような気も…。
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追 憶 (アスター)
夏樹 2012/9/29
夏樹は部屋に写真を飾らない。
飾った写真を見た誰かに「夏樹って女々しいね」と笑われることよりも、陽に焼けてしまうことの方がずっと嫌だった。
写真が色褪せるのと同時に、思い出までもが一緒に色褪せてしまうように感じたからかもしれない。どんなに強烈な光を放っていた出来事でも、時がたてば過去になっていくのだと、もうそこにはいられないのだと、否が応でも思い知らされるようだった。
けれど陽に晒さず大切にしまっていれば、写真はいつまででもきれいなままでそこに残る。
だから夏樹は、これからも写真を飾ることはないだろう。
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過去にこだわっていそうな夏樹というイメージ。
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追 憶 (アスター)
ユキ 2012/9/29
ユキは新しい家に引っ越すたび、必ずケイトとの写真を飾る。
そんな頃もあったなと懐かしく思い出す記憶も、もしくはまったく覚えていないほど昔のことでも、写真の中にはいつも優しく微笑むケイトとユキがいた。
彼女が節目ごとに撮ってくれたそれらの写真は、ユキが確かにそこに居たということの証であり、自分の生きてきた軌跡を確認することは、ユキが今を生きるために何よりも必要なものだ。
過去があるから今と未来があるのだと、ユキがあきらめず前を向けるのは写真のおかげでもある。
だからユキは、これから写真を飾り続けるだろう。
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今まで何度も失敗しながらも、あきらめないユキの活力はなんだろうと思いました。
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幸 せ な 人 (秋の麒麟草)
夏樹 2012/10/19
喉の渇きを覚えて夏樹が目を覚ますと、くっつけた隣の布団でユキが安らかな寝息をたてていた。
眠るときにつないでいたはずの手は、どちらかが寝返りをうったときに離れてしまったのだろう。もう一度ユキの手を取ろうとし―――夏樹の手が誤ってユキの脇腹に入った。
「ふがっ!?」
「・・・!?」
声はあげたもののユキの目が覚める気配はなく、安堵した夏樹を今度はおかしさが襲う。
(なんだよ、ふがって・・・!)
完全に吹き飛んでしまった眠気が再び救いの手を伸ばしてくれるまで、夏樹は声が外に漏れないよう布団に包まって笑い続けた。
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とあるお泊りの夜、とある出来事。
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移 り 気 (ダリア)
夏樹 2012/10/22
ユキの家に泊まりにきた夏樹は夜中にふと目を覚まし、隣で眠るユキにそっと口付けた。
ユキの寝息は安らかで寝ているのは明らかだが、幸せそうに微笑んだから夏樹はたまらない。
(コイツ、まじで…)
寝ている間も愛されていると実感し、夏樹はつくづく嬉しかった。
後日、同じように泊まりに来て目を覚ました夏樹は、同じようにユキに口付けようとした。
「うん…」
あろうことかユキは夏樹を振り払い、寝返りをうって背中を向けてしまった。
(期待させといて…)
寝ている間は愛されていないかもしれないと思うと、夏樹はつくづく悲しかった。
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ユキに振り回される可哀相な夏樹・・・。