250字で花言葉



叶 え ら れ た 希 望 (連翹)
ユキ 2013/1/10


 ケイトが入院している間、ユキはいつも電話のそばで眠る。それはユキの変えられない習慣だ。
 ハルも誰もいない家は広過ぎて静か過ぎて、電話のそばでだけかろうじて眠れた。


 ある日、ユキは寝不足の原因を夏樹に見抜かれた。
 怒られるかと身構えたユキに夏樹は何も言わず、そのまま一緒に廊下の片隅で毛布にくるまった。
「夏樹?」
「いいよ、俺もいるから」
「・・・うん」
 ユキはその夜、久しぶりに夢も見ず眠った。
 朝日に照らされ、いつもはない人の寝息で目を覚ます。隣で眠る夏樹の姿とそんな目覚めを、ひどく幸せだと思った。

「おはよう」

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   夏樹が渡米するまでにこんなシーンがあったかも。
   ユキくんのスマホが水没したとき、実はすごく不安だったと思います。
   ケイトさんに何かあったらと、電話が気になって仕方なくて・・・。
   夏樹がいてくれるから大丈夫ってユキが思えるようになってくれればなぁ。



* * *



喜 び あ ふ れ る 笑 顔 (サフラン)
ユキ 2013/1/24


 静かな部屋に響くのは、シャーペンの芯が折れる音。
 目の前に広げた課題は、さっきから一ページだって進んでいない。

「もうちょっと・・・」
 時間が過ぎていくのをユキはじりじりと待っていた。
 なにせ「空港までわざわざ来なくていいからな」と夏樹本人に言われてしまっては、ユキも大人しく江の島で待つしかない。
「あと少し・・・」
 待ちきれず落ち着かず、ユキは時計をにらみつける。集中力なんてとっくに切れて久しい。
「よし行こう!」
 手つかずの課題を放り投げてユキは部屋を飛び出した。抑えきれない笑みが浮かぶ。

「おかえり夏樹!」

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   アメリカから帰ってくる夏樹を待つユキくん。



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親 愛 の 情 (フリージア)
ユキ&夏樹 2013/2/2


 向かいに座るユキに、夏樹は何気なく腕を伸ばした。
「ソース、ついてるぞ」
 ユキの口元を指でぬぐい、夏樹はそれをおしぼりで拭くでもなく舐めた。
「あああ、ありが、とう・・・」
 真っ赤になったユキに、夏樹はふと自分の行動を振り返る。
 それはまるで、仲むつまじい恋人にするような仕草ではなかったか。
「わ、わり。いつもさくらにしてたから・・・」
「い、いや、別に・・・」
 それから夏樹はひたすらポテトを食べ、ユキは飲み干して氷だけになったジュースをストローでかき回し続けた。

 火照った顔の熱は、ふたりともまだ引きそうにない。

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   テリヤキバーガーとかって、ソースつきやすいですよね!



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思 い の ま ま (ネコヤナギ)
ユキ&夏樹 2013/2/5


「ユキ!」
 振り返ったユキの手元に薄いピンク色の封筒を見つけ、夏樹は一気に焦った。
「ユキ、どうすんだよ」
「んー、そうだね」
 困ったように笑うユキに「俺が言うのもなんだけど」と前置きして封筒を指差した。
「それ、断らないか」
「うん、そうする」
「絶対に?」
「元からそのつもりだったし。・・・ってなんだよ夏樹、どうしたの」
「い、いや別に」
 思わず安堵の息を吐いた夏樹を、ユキが少し不思議そうに見た。

 こんな思いをこれから幾度となくするくらいなら、勢いにまかせて伝えてしまったほうがずっと楽かもしれない。
「あのさユキ」

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   封筒は女子からの告白じゃなく何かの案内でした、なんてオチも考えたのですが。
   こんな感じの王道はいかがでしょうか。



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仲 直 り (カモミール)
ユキ&夏樹 2013/2/14


「はい、約束のチョコ」
 大量の釜揚げしらすをまぶされたチョコに、夏樹は目を疑った。
「味見ならちゃんとしたよ」
「俺がしらす嫌いなの知って・・・るよな」
「知ってるけど、食べられると思って」
「・・・なんで」
「そろそろ素直になりなよ」
 何気ないユキの言葉に夏樹は息を飲んだ。
「まあ・・・。確かにもういいかもな」

 それについて話したことは一度だってないのにと、夏樹はチョコをほおばる。
 最初にしらすが嫌いだと言い出したのは、父親への幼い反発。

 しらすにまみれたそのチョコは、ほんの少ししょっぱくて、懐かしい海の味がした。

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   夏樹の渡米とかもうあってないような感じになってしまいましたね。
   しらす嫌い。でも実は食べられるんだよってのはずっと考えていました。



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