250字で花言葉
あ こ が れ (ヒマワリ)
ハル 2012/8/15
広い花壇の一角に、大きな黄色い花の群れ。太陽を求めるという意味がその名の由来らしい。
ハルは水の次に光が好きだ。
ゆらゆらと海に差し込む光はとてもきれいで、天気のいい日は特にきれいで。そんな世界を皆にも見て欲しくて、さりげなさを装って海に落ちては怒られるのを繰り返している。
「ハル、早く来いよ置いてくぞ!」
「あー待ってよー!」
花の向こうに赤い髪が揺れる。
近づきすぎてはこの身を焼くと知っているけど、眩しいものに焦がれる気持ちはよくわかるから。
だからハルは今日も一生懸命その花に水を遣る。
枯れませんように。
------------------------------------------------------------------------------------------
ハルには桜の花が似合うと思ったけど、ヒマワリも同じくらい似合うと思いました。
* * *
半 信 半 疑 (鬼灯)
夏樹とユキとハル 2012/8/27
「あーもう!今日も釣れねえ!」
ここ数日、何も釣れない日が続いていてうんざりしていた。潮目も水温も気象条件も特に問題はないはずなのに、釣れない。
夏樹は釣り人の間で実しやかに囁かれるジンクスを思い浮かべ、それはないと頭を振る。ジンクスはあくまでジンクスで、実際の効力は眉唾物だ。
「メシにすっか」
気分を切り替えたい夏樹の言葉に答えて、ハルがコンビニの袋を手に取った。
「はいユキ」
「これハルのだろ、ハルが食べろ」
「これすっぱい!ユキにあげる」
「なら買うなよ!俺ここんとこずっと代わりに食ってんだぞ」
「…もしかしてそれ梅干か?」
「そう、梅干チョーすっぱい」
「ユキ、昨日と一昨日とその前と、あとこないだの土日も梅干の食ったか?」
「確か食べてる」
たかがジンクスされどジンクス侮るなかれ。釣りに梅干は厳禁だ。
そんな理由でと思わないでもないが、事実は事実。師匠としては教えておくべきだったと、夏樹は深く溜め息をついた。
------------------------------------------------------------------------------------------
どこまで本当かわからないけど、そういうジンクスがあるそうです。
* * *
勇 気 あ る 行 動 (ハイビスカス)
夏樹とハル 2012/8/28(花言葉:12日)
夏樹はナマコが嫌いである。水族館で実物を見て以来ずっと嫌いで、いわゆる食わず嫌いというやつである。外敵に出会うと内臓を吐き、表皮を溶かして逃げるその性質も意味がわからない。
ただ、見た目を理由に食べないのは子どものすることだ。案外味は好きかもしれないし、一度くらい食べてみてもいいと思い始めていた。
「見て夏樹!ぬるぬるだよ〜」
水揚げされたばかりのナマコをハルが楽しげに掴み、興味深く触りに触ったそれを夏樹の前に差し出したからたまらない。
夏樹は声にならない悲鳴をあげ、やっぱりナマコなんて嫌いだと思った。
------------------------------------------------------------------------------------------
王子にも苦手なものがあるよ、きっと。
こんなのだけど、誕生日おめでとう夏樹!
* * *
に ぎ や か (鬼百合)
ユキとハル 2012/9/1
夕方の再放送時代劇を見て、ハルが変な遊びを覚えた。
「ひかえおろーひかえおろー」
俺のスマホを片手に、同じフレーズを繰り返す。
「ねえユキ、続き言ってみてよ!」
「この紋所が目に入らぬか!だろ?」
耳にタコができるほど聞いているので間違えるはずはないのに、ハルはにんまりと鬼の首を取ったように笑った。
「おばかさーん」
「何がだよ」
「こんな大きなものは目に入りませーん!」
「・・・」
あまりに腹が立って拳を握り締めると、ハルはけらけらと逃げていった。
それを見てばあちゃんが、「楽しそうねえ」と笑った。
「楽しくない!」
------------------------------------------------------------------------------------------
ハルはきっと、水戸黄門さまごっこも好きに違いない!と思うのです。
* * *
危 険 な 楽 し み (チューベローズ)
四季 2012/9/2
「ハル、俺は菓子選ぶから、ファンタのグレープ頼む」
「夏樹はグレープ?了解!」
適当に菓子と飲み物を見繕い、今日は珍しく大人の余裕を見せたアキラに支払いを任せる。
一足先に外で待っていたユキは、上機嫌な様子で店から出てきたハルに嫌な予感を覚えた。
「ハル、ファンタくれ」
「どーぞ!」
歩きながら夏樹がプルタブに指をかけた瞬間。ユキは嫌な予感の正体を悟った。
「夏樹、待っ…!」
「ん?」
ユキの制止は間一髪で間に合わず、缶から飛び出した中身が夏樹とそばにいたアキラに降り注ぐ。
ユキとタピオカにも飛沫が飛んだがそれは位置的にほんの少しで、ハルはちゃっかりユキの後ろに隠れていた。
「・・・」
「・・・」
「グワッ!」
「俺、それこないだサイダーでやられてさ…」
「ユキ、もうちょっと早く言ってくれ」夏樹は呆然と呟いた。
「なんて災難だ」夏樹の隣でアキラは嘆いた。
(ここが外で良かった)ユキは口には出さず、心の中で思うだけに留めた。
------------------------------------------------------------------------------------------
こういう悪戯も、ハルなら可愛くて良し!
この後ハルは怒った夏樹に追いかけられて残ったファンタをかけられ、
ユキはユキで「ユキ助けてー」ってまとわりついてきたハルのとばっちりをくらい、
最終的に4人で「ベタベタする…」ってなればいいと思う!