250字で花言葉



成 し 遂 げ ら れ る 思 い (唐麦)
えり香と夏樹 2012/10/10


 家族同然の付き合いではあるが、部屋に入る前に一応「お邪魔します」と声をかけるのはえり香なりの気遣いだ。
「ねえ夏樹」
「なんだよ」
 ちょうど出かけようとしていたらしい夏樹の目の前に、手持ちの小道具を全て詰めた鞄を突き出す。
「可愛くしてよ」
「・・・」
 夏樹は手にしていた釣竿を降ろし、椅子を指差して座るよう促した。
「希望は?」
「どんなのでもいい。とびきり可愛くして」
「りょーかい」
 ヘアアイロンをコンセントに繋ぎ、櫛を手にした夏樹が後ろに回る。髪を梳く静かな音に混じって「頑張れよ」と声がした。
「…うん、頑張る」


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   さくらの髪をずっと結んできた夏樹の腕はなかなかのものですよ、きっと。
   えり香もここぞという日は夏樹にやってもらうとかだといいなぁ。



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